論文執筆

【税法論文】テーマ選びで失敗しないために【3つのポイント】

よしまり。@yoshimarilogです。

今日の記事は、論文のテーマ選びについてです。

研究したいと思えるほど、知識もない。
テーマが決まらない・・・

税法免除のために大学院へ入学した私は、

いったいどんなテーマで書けばよいのか、すぐに思いつかず、決まるまでとても不安で苦しい日々でした。

今回は私の経験から考えた、書きやすいテーマについてまとめてみたいと思います。

書籍でも、テーマ選定について詳しくアドバイスが書かれたものがあって、とても参考になります。

⇒租税法修士論文の書き方

書籍も参考にしてもらい、この記事も参考にしてもらえたらうれしいです。

(具体的な私の例に寄っているので、一例として参考にしてください。)

書きやすいテーマ選びの3つのポイントを考えてみた

※税法免除のための論文なので、
政策論ではないこと、税法をテーマとしたものであることは大前提です。

1.テーマの範囲を絞りすぎない(方向転換可能性)

執筆に行き詰まったときに、少し違う方向からでも論じられるようなテーマ設定を目指そう。

『テーマが広すぎるものはダメ!』

こんな言葉をよく聞くと思います。

たしかに、具体的に検討することは大切です。

所得税の譲渡所得にしようかなー。
やっぱり法人税にしようかなー。
くまり
くまり
それはさすがに、広すぎるー

でも、この言葉に囚われすぎるがあまり、

狭すぎたり、

テーマの的が絞られているのではなくて、特定の裁判例に着目してしまっていたり・・・

こんな落とし穴にハマりがちです。

(※特定の裁判例について述べるものは、税法論文とは言えず、裁判例の評釈とされます。)

結論を出すことが論文ではない

『テーマは絞られている方がよい』

と言われて、

テーマ ≒ 結論

と思っている人もいるかもしれません。(私です)

○○説、××説・・・と、対立があるような議論では、

どちらの立場で結論を出す、ということが考えやすいかもしれません。

その場合は、結論も、端的に主張できるものがあり、分かりやすいですよね。

でも、「いろいろな角度から論じる」ことでも、十分論文として成立します。

文献をいろいろ読んでいると、

最後まで結論が出ていなかったり、

課題を残して締めくくっているものも多いことに気づきます。

たくさんの論文の、「おわりに」を読んでみると、

どんなスタンスで論文を書くか、という選択肢も広がるのかなと思います。

(※結論の在り方は、ゼミの教授によって方針がさまざまです。教授に早めに確認してみてください。

2.論じることの具体性は必要

テーマの範囲を少し広く捉えたとしても、

論じていく内容については具体的である必要があります。

  • どの角度から論じるのか。
  • どの項目・場面について論じるのか。

論じる内容を、自分の論文の枠にはめていくイメージです。

・・・・抽象的すぎるので、私の例で説明します。

わたしの例で説明

当初、『建物取壊し費用の必要経費該当性』について書きたいなーと考えました。

実際に選定したのは、『不動産所得の必要経費の範囲』です。

当初のテーマと比べると、かなり範囲を広げたものになります。

そして、この広がったテーマについて、

  • 不動産所得の沿革や性格から見た、不動産所得の必要経費を考えよう
  • 不動産貸付業務の各段階について、必要経費を検討しよう(貸付け前~貸付け中~貸付け終了後~業務終了後~次の貸付けまで・・・)

と、具体的に論じる内容を考えました。

具体的な経費から、「必要経費」にテーマが広がったことで、

「必要経費全体」と「不動産所得の必要経費」との違いに着目する角度から

論じていこうと思ったからです。

3.筋道が見通せるものを選ぶ

ザックリでよいので構成を検討してみましょう。

「はじめに」に書くこととなる、

論文の「動機」や「背景」を書いてみることも、テーマ選定にあたって良いと思います。

そして、この「動機」や「背景」となるものは、

論文の大事な前提です。

この前提を踏まえて、結論を導くために、

どんな裁判例を紹介して検討するのか、

学者の対立説などはあるのか、

その意見をどう使うのか、

少しずつ具体的にしていくイメージです。

そして、

  • 新しい裁判例があるのか
  • 書籍はあるのか

確認しておきましょう。

ハウツーに惑わされない

こんな記事を書いておいてなんでが・・・

こういうテーマがいい!という決まりはありません。

ただし、

テーマ選定についての書籍や記事を参考にして、

いろいろな論文の在り方があることを知ることで、

気になるキーワードを見つけたときに、

そのキーワードから、どんなテーマにするのかを思いつけると思います。

なので、いろんな方のアドバイスを、

「ふーーーん。なるほど。」

という感じで聞いて、

気になるキーワードに巡り合えるように、いっぱい論文のテーマを眺めてみてください。

スタンダードシリーズの本が、テーマ選びにも基礎学習にもおすすめです。

⇒スタンダード所得税法 第2版補正2版

https://yoshimarilog.com/2020/08/16/standard-basic-income-taxation/

⇒スタンダード法人税法 第2版

https://yoshimarilog.com/2020/09/06/standard-corporation-tax-law/

どの税法か迷っている方は、所得税法が読みやすくて、
1冊目におすすめです。

あとは、税大論叢と税大ジャーナルのタイトルを眺めることですね。

まとめ

  • テーマを絞りすぎない。方向転換できる余裕をもたせる。
  • 論じる内容は具体的に
  • 結論が白黒はっきりするものだけが論文ではないことを忘れずに
  • いろいろな論文のパターンを知る
  • 論文の構成(結論までの道筋)を検討してみる
  • 気になるキーワードに巡り合う

https://yoshimarilog.com/2021/01/03/ronbun-thema-resarch/

https://yoshimarilog.com/2021/01/07/how-to-write-sozeironbun/

ABOUT ME
まり
税理士。出産後、税理士試験の勉強を開始。税理士法人に就職して、9年の専業主婦生活に終止符。働きながら税法免除の大学院を修了して税理士に。二児の母。干し芋がすき。趣味はピアノと耳かき。